2025/08/01 10:07

その日も、
とてもよく晴れていた。

ヒマワリが咲きそろい、
空気の隅々にまで光が差し込んでいた午後。

田舎のおじいちゃんの家に来ていた少年は、
道に迷っていた。

歩き疲れふと足を止めた先に、
ヒマワリ畑と小さな蛇が。


黄色、オレンジ、緑に茶色ー
土の上で揺れるその身体は、
まるで夏の色を全部あつめたようで。

少年は目を奪われた。

夏色の蛇も、
じっと少年のほうを見上げている。

なぜか、その眼差しに
「大丈夫」と言われた気がして、
少年はぎゅっと握りしめていた不安を、
少しだけ手放すことができ、再び歩き出す。


ヒマリはおせっかい。

ときどき強引で、
言葉もないのに、背中を押してくる。

でもそれは、
誰かが前に進む、その瞬間のそばにいたいから。


だからー
今日もまた、ヒマワリの影に姿をまぎらせ、
誰かの心を照らす準備をしている。

・・・

プロフィール

名前:ヒマリ
分類:なつのヘビ
性格:陽気で、ちょっとだけおせっかい
生息地:よく晴れた日のヒマワリ畑
特徴:向日葵を思わせるあたたかな色合いと、光を受けてほんのり煌めく身体を持つ。
黄色・緑・オレンジ・茶色が重なり合い、明るい季節の空気をその身にまとっている。
好きなもの:昼下がりの縁側、よく冷えたスイカ、麦わら帽子の影
ひとことメモ:気に入った人間の後ろをこっそりついて行く事もあるとか……
晴れた夏の日、背後に気配があったらヒマリがいるのかもしれない。