2025/09/11 18:05

黒曜には、幼いころからの友がいた。
それは、
やがて「砂漠の王」と呼ばれるようになる存在だった。

幼きふたりは、ただの友だった。

陽の光を追いかけて砂の上を駆け、
冷えた夜には寄り添いながら星を数え、
まだ見ぬ未来を夢のように語り合った。

やがて、友は本当に王となった。
砂漠を治める力を持ち、
多くのものに慕われる威厳をまとった姿を、
黒曜は近くで見守り続けた。

その誇り高さも、その孤独も、
黒曜は誰より知っていた。

王に必要とされなくとも、
そっと傍らにいることが、
黒曜にとっての誇りだった。


だが、流れる時の中で、
王は砂のように静かに消えていった。


誰もが憧れたその背中を、
最後まで見届けたのは黒曜ただひとり。

友を失った蛇は、深い瞳にその面影を宿しながら、
今日も乾いた大地を歩いている。


――もう誰もいなくとも。

それでも黒曜は、しなやかに、誇り高く。
胸の奥で友と過ごした記憶を光に変えて。

・・・

プロフィール



名前:黒曜(こくよう)
分類:しはいのヘビ
性格:堂々としていて誇り高い。信頼を寄せた相手には優しい。
生息地:陽の光が差す乾いた大地
特徴:白と黒の帯が美しいコントラスをなす。
しなやかで力強く、威厳のある佇まい。
瞳は黒曜石のように深く輝く。
好きなもの:友の隣、砂の上のぬくもり
ひとことメモ:近くにいると、気持ちがしゃんとする。
やさしくて繊細な一面もあるとか。。。